京野菜が美味しいその秘密

ブランド野菜の一つとして、高い評価を得ている京野菜。京都府が認定している「ブランド京野菜」にあたる野菜を呼ぶこともあれば、京都の風土を味わえる野菜全般を京野菜と呼ぶこともあります。

賀茂なすや九条ネギ、聖護院だいこん、万願寺とうがらしなどは、全国的な知名度もある代表的な京野菜。

京野菜:美味しさの秘密

京野菜がなぜ美味しいのか?

味の濃さ・豊かな香り、みずみずしさや野菜の生命力を保ち続けている京野菜。
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それには、大きく3つの理由があります。

賀茂ナス

豊富な水と栄養

京都は、四方を山に囲まれた盆地。南を除く三方にある北山・東山・比叡山など多くの山に降る雪や雨が、豊富な水と栄養をもたらします。山に生える植物・動物達が天然の肥料として、京都市や周辺の丹波や宇治・久御山といった地域を農作物が育ちやすい大地にしてくれるのが美味しさの秘密。

京都市を流れる鴨川・桂川・宇治川などの川をご覧になった方は、大都市に存在しながら美しさと水質を保っていることに畏敬の想いを抱きます。豊富な水量が綺麗な川を保っているのですが、京野菜の美味しさにも川が密接に関係しています。

古代文明が花開いた中国の黄河・エジプトのナイル川は、上流から水と栄養をたくさん運んできます。そして、時折、氾濫を起こすことで、その栄養をばら撒いていたのです。

京都も同じく、盆地を囲む山に豊富に降る雨が、豊かな恵みをもたらしてくれています。それゆえに、農薬をあまり使う必要が無く、美味しい野菜を作ることが可能になります。賀茂なすなど、別名「水食い・肥料食い」と呼ぶ程、水・栄養が必要な野菜。

京野菜の専門家の中には、千年の都として古代より続く中で「都市塵芥=生ごみや人糞」が、肥沃な土地を作り出した秘密だと言う方も。やお屋かね松店主の上田耕司さんがその一人。

京野菜は種類が豊富

京都の良い水・肥料をたっぷり吸った野菜は、土地に合った最適な形に進化しています。京野菜を知って驚くことの一つがその豊富な種類。

とうがらしだけでも、万願寺・伏見・山科・鷹峯と様々な種類があります。それは、狭い地域の中でも、微妙に異なる風土にあわせて改良を加えられて出来上がった品種達。品種にあわせて育てますし、料理方法も品種に最適な方法を取ります。これで美味しくないはずがありません。

現代農業は、工業製品に近くなり、大規模農家の効率を重視する向きが増えています。その方が値段も安くなり農家の収入も上がります。

しかし、デメリットとして、少品種大量生産になり、多様性を失います。京野菜は、少量生産が基本ですから、農家自身が丹精込めて育てることができ、味わい深い野菜へと成長するメリットがあります。

季節を味わう

なす・きゅうり・大根・人参とスーパーに行けば、四季を問わずに野菜を買うことができます。これはこれで素晴らしい進歩。

その対極にあるのが京野菜。春の野菜は苦く、夏はみずみずしさ、秋は香り豊かな山の幸、冬は甘さを増すねぎや根菜類と季節にあわせた野菜を作り食べる習慣が残っています。

季節にあわせた野菜&料理法を自然豊かな土地で味わう醍醐味は、人の身体をリフレッシュする効果もありそうです。

野菜料理

そんな京野菜も大切に守り育てなければ、廃れてしまいます。京都は守り育むことを得意とする文化を持っている地域。

京都府では、京野菜の価値を守ろうとブランド京野菜制度を設置。

京野菜や果物など歴史に磨かれた特徴ある農林水産物の中でも、品質的・量的に特に優れたものを「ブランド京野菜」(京のブランド産品)として認証し、消費者の皆様にお届けしています。ブランド京野菜

京都を代表する名店の草喰 なかひがし(そうじき なかひがし)は、その名前の通り、季節を生かした美味しい野菜を戴けるお店。菜食主義のお店ではなく肉や魚もきちんと出てきますからご安心ください。

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